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取締役会のみなし決議とは?|会社法370条のメリットと注意点について

会社法第370条は、取締役会設置会社において、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができることを定めた条項です。

 

会社法370条のメリット

 

代表取締役は、3か月に1回以上職務の執行状況の報告をする必要があるため、3か月に1回以上は取締役会を開催する必要があります。(会社法363条2項)。

 

しかし、全ての取締役が時間を調整して一堂に会し、決議を行わなければならない場合、役員にとっては負担となります。

 

370条は、取締役会設置会社において、取締役会を開催することなく、取締役全員の同意により、取締役会の決議をすることができるようにするものです。

 

これにより、取締役会を開催する手間を省くことができるほか、取締役会を開催する時間や費用を節約することができます。

 

会社法370条

 

 

ただし、この条項は、取締役会を開催することなく、取締役会の決議をすることができるという特例であり、通常は、取締役会を開催して決議を行う必要があります。

 

 

定款に記載されていいる必要がある

 

みなし取締役会を実施する場合、当該企業の定款には「みなし取締役会の設置が可能である旨」の規定が含まれている必要があります。

 

みなし取締役会議事録を活用して登記手続きを進める際には、登記添付書類に「定款」の提出が不可欠です。(これは、みなし取締役会の決議を行える企業であるかを確認するためです。)

 

みなし取締役会議事録記載事項の内容

 

みなし取締役会議事録記載事項とは、取締役会を開催することなく、取締役全員の同意により、取締役会の決議を行った場合に作成する議事録の記載事項です。

みなし取締役会議事録に記載すべき事項は、次のとおりです。

  • 取締役会の決議があったものとみなされた事項の内容

  • 該当決議の提案をした取締役の氏名

  • 取締役会の決議があったものとみなされた日時

  • 議事録を作成した取締役の氏名

みなし取締役会議事録は、取締役会を開催することなく、取締役会の決議を行ったことを証明する書類として重要です。そのため、みなし取締役会議事録は、取締役全員の署名捺印を必ず取得し、適切に保存しておく必要があります。

 

まとめ

 

株主総会みなし決議と取締役会みなし決議は、内容がかなり違っているため、よく確認し正しい方法でおこなうようにしましょう。